ローカルウォレット
ローカルウォレットは、秘密鍵をデバイス上で管理するセルフカストディ型のウォレットです。トランザクションはデバイス上で直接署名され、そのままブロックチェーンへ送信されます。
BIP-44 アドレス生成
ローカルウォレットは BIP-44 規格に準拠しており、1つのシードフレーズからネットワークごとに最大10個のアドレスを生成できます。
| ネットワーク | 導出パス | アドレス数 |
|---|---|---|
| TRON | m/44'/195'/0'/0/{0-9} | 最大10 |
| Ethereum | m/44'/60'/0'/0/{0-9} | 最大10 |
同じシードフレーズから作られたアドレスでも、残高、取引履歴、ネットワークリソースはそれぞれ独立しています。
アドレスインデックスの活用
用途ごとに異なるアドレスインデックスを使い分けることで、プライバシーを高めたり、資産を目的別に整理したりできます。
アドレスの切り替え
ホーム画面の残高カードで、現在使用中のアドレスを確認・切り替えできます。

ホーム画面でアドレスを切り替えると、そのアドレスの残高と履歴が表示されます
- ホーム画面の残高カードにあるアドレス表示部分をタップします。
- アドレス一覧が表示されます。
- 使用したいアドレスを選択します。
TRON リソース管理
現在選択しているアドレスが TRON アドレス の場合、資産画面に TRX Resources 行が表示されます。ここから、そのアドレス専用の TRX 残高、Energy(エネルギー)、Bandwidth(帯域)、ステーキング状況、委任状況 を確認できます。

TRON アドレスでは、資産画面から TRX Resources ページを開けます
重要なのは、TRON のリソースはアドレスごとに計算され、同じシードフレーズ配下の全アドレスで自動共有されないという点です。
Address #0とAddress #1が同じシードフレーズ由来でも、TRX、USDT、帯域、エネルギー、ステーキング状況 は別々です。- USDT を送るときに使われるのは、現在選択中の TRON アドレスのリソースと TRX だけです。
- 別アドレスにある TRX やエネルギーが、現在の送信アドレスの手数料を自動で肩代わりすることはありません。

TRX Resources 画面では、残りエネルギー、残り帯域、ステーキング配分、委任状態を確認できます
帯域とエネルギーとは?
TRON には2種類の主要リソースがあります。
| リソース | わかりやすい意味 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Bandwidth(帯域) | 取引をチェーンに記録するための枠 | TRX送金、USDT送金、ステーク、アンステークなど、ほぼすべての取引 |
| Energy(エネルギー) | スマートコントラクトを実行するための計算資源 | コントラクト呼び出し、特に TRC-20 USDT 送金 |
ひと言で言うと、
- 帯域は取引をブロックチェーンに書き込むためのもの
- エネルギーはスマートコントラクトを実際に動かすためのもの
そのため、TRON 上の TRC-20 USDT 送金では通常、次の両方を使います。
- 帯域
- エネルギー
不足している場合、TRON は不足分を TRX の直接消費 で補うことがあります。これが「USDT はあるのに送れない」原因になりやすいです。
USDT があるのに送れないのはなぜですか?
送る資産は USDT ですが、TRON 上のネットワークコストは通常 現在のアドレスのリソースまたは TRX から支払われます。
そのため、アドレスに USDT しかなく TRX、帯域、エネルギー が不足していると、送金に失敗することがあります。
なぜ TRX をステークしてエネルギーにするのですか?
TRC-20 USDT をよく送るアドレスでは、TRX を Energy に割り当ててステークするのが実用的です。
- USDT 送金のたびに TRX が直接消費される量を減らしやすい
- アドレス自体にリソースの予備ができるので、繰り返し送金しやすい
- 店舗、OTC、頻繁に送金するユーザーではコストが安定しやすい
- エネルギーは時間経過で回復するため、1回のステークが今後の複数回の送金を支えられる
実務的には、特定のアドレスで USDT を頻繁に送るなら、TRX を残高のまま置いておくより Energy Stake に多めに配分するほうが役立つことが多いです。
リソース画面の見方
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| TRX Balance | 現在の TRON アドレスが保有する TRX 量です。リソースが不足すると、ここから TRX が消費される場合があります。 |
| USDT Balance | 現在のアドレスが保有する TRC-20 USDT 量です。 |
| Energy | 現在のアドレスのエネルギー使用量です。13,026 / 14,074 のような表示は 使用量 / 総量 と考えられ、下の available が残量です。 |
| Bandwidth | 現在のアドレスの帯域使用量です。508 / 600 なら、合計600のうち508を使っていて92が残っています。 |
| Total Staked | このアドレスが現在ステークしている TRX の合計量です。 |
| Bandwidth Stake / Energy Stake | ステーク済み TRX が帯域用とエネルギー用にどれだけ配分されているかを示します。USDT を頻繁に送るアドレスでは通常 Energy Stake の重要性が高いです。 |
| Delegated BW / Delegated EN | このアドレスが他のアドレスへ委任しているリソース量です。 |
リソースはどこから来ますか?
TRON のリソースは通常、次の4つから得られます。
- ネットワークが付与する無料の1日あたり帯域
- TRX をステークして得る追加の帯域またはエネルギー
- 他アドレスから受けるリソース委任
- リソース不足時の TRX 直接消費
どの操作が何を消費しますか?
- 通常の TRX 送金: 主に 帯域
- TRC-20 USDT 送金: 通常 帯域 + エネルギー
- コントラクト呼び出しや承認: 主に エネルギー
- ステーク、アンステーク、委任、委任解除: 一部 帯域
リソースが足りないときは?
送金に失敗したり、見積もり手数料が高く見える場合は、次の順で確認してください。
- 今送ろうとしているのが正しい TRON アドレスか確認する
- そのアドレスに十分な TRX が残っているか確認する
- USDT をよく送るアドレスなら、TRX をより多く Energy にステークする
- たまにしか使わないアドレスなら、少額の TRX を補充するだけで足りることもある
- 他のアドレスに余っているリソースがあるなら、Delegate で現在のアドレスを支援する
TRON のリソースモデルでは、帯域とエネルギーは使用後に徐々に回復し、通常は24時間以内に回復します。
送金の流れ
ローカルウォレットで送金を行うと、次の処理がデバイス上で実行されます。
- 送金内容(宛先アドレス・金額・ネットワーク)を入力
- 送金内容を確認
- パスワードを入力(設定している場合)
- デバイス上で秘密鍵によるトランザクション署名
- 署名済みトランザクションをネットワークにブロードキャスト
USDT 残高が足りているように見えても送金できない場合は、送信元アドレスに手数料用の TRX または ETH が不足している可能性があります。
